~心と体を守る!トリマーのための働き方改善術~
はじめに|「忙しい=嬉しい」けれど、限界を超えていませんか?
トリミングサロンにとって、年末年始・春の換毛期・夏前・お盆などの繁忙期はまさに“かき入れ時”。
毎日予約でいっぱいになり、施術に追われる日々が続くと「売上が上がってありがたい」と思う反面、「もうクタクタ…」「休みが取れない…」と心も体も限界に近づいてしまうことも。
そこで本記事では、トリマーさんが繁忙期でもパンクせずに働けるための「予約管理術」と「お休みの取り方」をご紹介します。
ストレスを減らし、効率的に働きながらしっかり休息をとることで、顧客満足度も自分のモチベーションもアップ!
サロン経営者の方にもスタッフマネジメントの参考としてぜひ読んでいただきたい内容です。
1|まずは繁忙期の傾向を知ろう
繁忙期の代表的なタイミング
トリミングサロンにおける繁忙期は、多くのサロンで以下のようなタイミングです。
時期 | 繁忙理由 |
年末(11月後半〜12月末) | 年越し前に綺麗にしたいニーズ増 |
春(3〜4月) | 換毛期・新生活での需要増 |
夏前(6〜7月) | サマーカット・皮膚トラブル予防 |
お盆・GW | 帰省や旅行前後にお手入れ |
秋(9〜10月) | 季節の変わり目でのお手入れ需要 |
サロンの立地や客層によって差はありますが、これらの時期に予約が集中する傾向は共通しています。
まずは、自分のサロンにとっての“ピーク”を明確にし、どこでリソースが逼迫するか把握することが第一歩です。
2|予約をコントロールする=パンクしない第一歩!
予約枠を「埋める」のではなく「コントロールする」発想に
トリマー業界では、「空きがあるなら入れる」のが当たり前になっている方も少なくありません。
しかし、無理に詰め込みすぎると、疲労が溜まり、パフォーマンスや接客にも影響が出てしまいます。
そこで大切なのが、「予約をコントロールする」という考え方。
- 1日に何頭まで施術できるか(頭数制限)
- スタッフの人数とスキルに応じて負荷分散できているか
- 毛量やカットスタイルにより時間配分が適切か
これらを冷静に見直し、自分たちに無理のない「上限設定」を行うことが重要です。
おすすめ予約管理方法
① カルテによる所要時間の見直し
犬種や個体差によって所要時間は大きく変わります。カルテに「所要時間の実績」を記録しておくことで、現実的なスケジュール設計が可能になります。
② 時間帯ごとのブロック制
午前/午後/夕方など時間帯で施術枠を区切る「ブロック制」は、トリマーの負担軽減や遅延防止に効果的です。
③ 予約の先取りを促す
「次回予約」の提案を積極的に行いましょう。
とくに繁忙期の前は「◯月は混み合いますので、先にご予約をおすすめします」と案内することで、計画的な予約管理がしやすくなります。
④ 常連さん向け優先枠の設定
リピート率が高いお客様には、優先的に予約できる仕組みを案内すると◎。
信頼関係が強化され、無断キャンセルなどのトラブルも減少します。
3|休みを「後回し」にしない。計画的に確保しよう
「予約が入ってない=休みにできる」は危険!
ありがちなNGパターンは、「空いてる日を休みにしよう」という考え方。
しかしこの方法だと、結局休みが後回しになり、心身ともに疲弊してしまうことも。
予約枠を開ける前に、まず自分の休みをカレンダーに組み込んでおくのが鉄則!
休みの入れ方のコツ
●「1週間の中で〇日休む」と決めておく
週1〜2日はしっかり休息できるよう、ルール化しておくことが継続のカギです。
●「連休」をあえて作る
1日休みではリフレッシュしきれないこともあります。心と体を整えるには、2連休以上がおすすめ。
●「中休み日」も有効活用
完全な休業ではなく、**半休(午前のみ営業・午後休み)**を入れると、疲労がかなり違います。
4|トラブルを防ぐ!予約・休みに関するお客様への伝え方
キーワードは「早め・丁寧・ルールの明文化」
トリマー側の都合で予約が取れない場合でも、お客様に納得してもらえるように、伝え方が重要です。
◎ 例文①:次回予約のご案内
「○月は毎年ご予約が集中しますので、今日のうちに次回のご予約をされる方が多いです。ぜひご検討くださいね」
◎ 例文②:休業日の案内
「◯月◯日〜◯日まではお休みをいただいております。前後はご予約が混み合いやすいため、お早めにご連絡いただけると助かります」
◎ 例文③:予約枠に限りがある旨を伝える
「1日にお受けできる頭数に限りがありますので、早めのご予約がおすすめです」
事前にLINEやSNSで発信しておくのも効果的!
「予約が取れない」「連絡が来ない」といったトラブルを未然に防ぎましょう。
5|便利ツール・システムも活用しよう
予約管理やスタッフシフトに役立つツール
- LINE公式アカウント:予約案内・空き状況の配信に便利
- Googleカレンダー連携型予約システム:スタッフごとのシフト管理に◎
- サロン専用アプリ(例:RESERVA、STORES予約など):自動リマインドでキャンセル防止
- Excel/スプレッドシート:個人経営でも細かく時間管理が可能
ツールは「導入して終わり」ではなく、「運用しやすいもの」を選ぶことが成功のポイントです。
まとめ|あなたの「余白」がサロンの未来を守る
トリマーという仕事は、ただ犬を可愛くカットするだけでなく、お客様との信頼関係と自身の健康があってこそ続けられる仕事です。
だからこそ繁忙期は、予約管理と休みの取り方に「戦略」が必要。
- 予約は詰め込みすぎず「上限管理」
- 休みは最初にカレンダーに確保!
- お客様には丁寧に案内し、ルールを共有
- デジタルツールも味方にする
「自分のペースで無理なく続けられる働き方」こそが、長く愛されるトリマー人生の秘訣です。
サロンの信頼は、トリマー一人ひとりの「余裕」と「安定」がつくっていくものです。
無理をせず、計画的に予約と休みを管理することで、常にベストな状態でお客様をお迎えできます。繁忙期の前に、予約やお休みの取り方を見直してみてくださいね!