ドライヤーの種類と違い、選び方まとめ

トリマーとして日々の施術に欠かせない道具のひとつが「ドライヤー」です。
シャンプー後の乾かし作業は、仕上がりの美しさや犬の快適さに直結する大切な工程。スピード・被毛の状態・犬のストレス軽減など、あらゆる点でドライヤーの性能や種類が大きな影響を与えます。

この記事では、トリミングサロンで使用されるドライヤーの種類と特徴、さらに選び方のポイントを整理してまとめました。これから新しい機材導入を検討している方や、自分のサロンに合った最適なドライヤーを見直したいトリマーさんに役立つ内容です!

目次

1|トリミングで使われるドライヤーの主な種類

ドライヤーと一口に言っても、用途や構造によっていくつかのタイプがあります。ここではサロン現場でよく使われる代表的なものを解説します。

● ハンドドライヤー(ブロードライヤー)

人間用と同じように手で持って風を当てるタイプ。軽量で小回りが利くため、顔まわりや細かい部位を乾かすのに便利です。

  • メリット:コントロールしやすく、仕上げの微調整に最適。
  • デメリット:両手がふさがるため長時間作業には不向き。風量・耐久性も業務用としては弱め。

● スタンドドライヤー

本体がスタンドに固定されており、両手を使いながら作業できるタイプ。犬を台にのせて乾かす際に重宝します。

  • メリット:ハンズフリーで使える。部分乾燥や小型犬に便利。
  • デメリット:風量はやや控えめ。中型〜大型犬を素早く乾かすにはパワー不足な場合あり。

● ブロアー(ペット用強風ドライヤー)

大型犬や毛量の多い犬に欠かせない強風タイプ。温風よりも「風圧」で水分を吹き飛ばす仕組みです。

  • メリット:乾燥時間を大幅に短縮。被毛の奥の水分も飛ばしやすい。
  • デメリット:音が大きい機種が多く、犬が怖がることも。導入コストも比較的高め。

● ケージドライヤー

ケージ内に温風を送り込み、犬が落ち着いている間に自然乾燥に近い形で仕上げるタイプ。

  • メリット:犬に直接ドライヤーを当てる必要がないため、ストレスが少ない。多頭管理にも便利。
  • デメリット:乾燥時間が長め。被毛の仕上がりを均一に整えるには追加作業が必要。

2|ドライヤーの風量・風圧・温度の違い

犬種や被毛の状態によって「どんな風が合うか」は大きく変わります。ここではドライヤーの性能に関わる要素を整理します。

  • 風量:1分間に送られる空気の量。風量が大きいほど乾燥は早い。毛量が多い犬や大型犬には必須。
  • 風圧:風が持つ力。ブロアーは特にこの点に優れ、水分を押し出すように飛ばす。毛の根元まで水分を飛ばしたい場合に有効。
  • 温度:犬の皮膚は人よりデリケート。高温すぎると乾燥や炎症のリスクがあるため、温度調整できる機種を選ぶのが安心。

トリマー現場では「強風+適温+短時間」が理想。犬への負担を最小限にしつつ、美しい仕上がりを目指すために、バランスの取れたドライヤーを選ぶことが大切です。

3|犬種・被毛タイプ別おすすめドライヤー

● 小型犬(チワワ・ヨーキーなど)

→ 体が小さいため、強すぎる風はストレスになりやすい。スタンドドライヤーやハンドドライヤーを中心に使用し、顔や耳周りを丁寧に乾かす。

● ダブルコート犬(柴犬・ポメラニアンなど)

→ アンダーコートが密なため、ブロアーがあると乾燥効率が大幅に向上。仕上げにスタンドドライヤーで整えると美しい毛並みに。

● 大型犬(ゴールデン・シェパードなど)

→ 毛量も体表面積も大きいため、強力なブロアーが必須。風量のある機種で時間を短縮し、体力的負担を軽減。

● トイプードル・ビションなどのカット犬種

→ ふわっとした仕上がりを作るには、風圧と温度のコントロールが重要。ブロアーで根元を乾かした後、スタンドドライヤーで毛流れを整えるのが定番。

4|選び方のポイント

① サロンの犬種構成を考える

小型犬中心か、大型犬も多いかによって必要なパワーが違います。犬種比率に応じてメイン機材を選ぶのが効率的。

② 作業スペースに合わせる

広いサロンなら大型ブロアーも設置しやすいですが、コンパクトな店舗ではスタンドドライヤー+ハンドタイプの組み合わせが現実的。

③ 犬へのストレス配慮

音が静かな設計、温度が安定している機種は犬に優しく、施術もスムーズ。特に子犬やシニア犬には配慮が必要です。

④ メンテナンス性

フィルター掃除が簡単か、パーツ交換しやすいかは長期使用で大きな差が出ます。業務用は耐久性重視で選ぶのが基本。

⑤ コストとランニング費用

導入費用だけでなく、電気代や修理費も含めて考えると安心。消耗品やアフターサービス体制もチェックしましょう。

5|実際の現場でよくある組み合わせ

実際のトリミングサロンでは、1種類のドライヤーだけで施術を行うことはほとんどありません。効率と仕上がりを両立させるため、複数のドライヤーを組み合わせて使うケースが多いです。

  • ブロアー+スタンドドライヤー:大型犬や毛量の多い犬に。スピード重視で全体を乾かし、仕上げを整える。
  • スタンドドライヤー+ハンドドライヤー:小型犬や部分的な仕上げ用に。両手を使いながら丁寧に仕上げたい場合に便利。
  • ケージドライヤー+仕上げ用ドライヤー:多頭飼育の犬を扱うサロンで活躍。犬がリラックスしている間に乾かし、最後に整える。

6|まとめ

ドライヤーは「乾かすための機械」という以上に、サロンの効率や仕上がり、犬の快適さを左右する重要な設備です。

  • 犬種や毛質に合った種類を選ぶ
  • 風量・風圧・温度のバランスを意識する
  • 複数の機材を組み合わせて使う

これらを意識するだけで、施術時間の短縮や犬のストレス軽減につながり、結果として飼い主さんの満足度も高まります。

あなたのサロンにぴったりのドライヤーを導入して、日々の施術をもっと快適にしていきましょう!

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この記事を書いたトリマー

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