年齢を重ねたシニア犬には、体調や生活スタイルに合わせた特別なケアが必要です。特にトリミングは、見た目を整えるだけでなく、健康を守るうえでも大切なケアのひとつです。
「トリミングはまだ必要?」「シニア犬にとって負担じゃない?」と不安に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。この記事では、シニア犬に優しいトリミングの考え方や、負担を減らすカットスタイル、ケアのコツ、おすすめのアイテムなどを分かりやすく解説していきます。
シニア犬にもトリミングが必要な理由
シニア犬の毛や皮膚は、年齢とともに変化します。以下のような理由から、定期的なトリミングは健康維持のためにも重要です。
● 清潔を保つため
排泄時にお尻まわりの毛が汚れやすくなったり、よだれや目ヤニが毛に付着しやすくなったりします。短めのカットを心がけることで、清潔を保ちやすくなります。
● 皮膚の異常を早期発見
カットを通して皮膚を確認できるので、腫れやできもの、赤みなどの異常を早く見つけやすくなります。
シニア犬に負担の少ないトリミングとは?
シニア犬は若い頃と比べて体力が低下しており、長時間のトリミングは大きな負担となります。そのため、以下のような工夫をすることが大切です。
● 時間を短縮する工夫
「シャンプーなしでカットだけ」「日を分けてシャンプーとカットを行う」など、犬の状態に合わせて工程を調整しましょう。
● 体勢の配慮
関節の弱い子や寝たきりの子には、立たせずにできる範囲で施術を行う、体を支える補助具を使用するなどの対応が必要です。
● トリミングの頻度を見直す
月1回だったトリミングを2カ月に1回にするなど、無理のないペースで予約するのもひとつの方法です。
● 出張トリミングを利用する
移動することが負担になる場合もあるため、出張トリミングを利用して自宅に来てもらうという方法もあります。
シニア犬におすすめのカットスタイル
シニア犬向けのカットスタイルは、「かわいさ」よりも「快適さ」「清潔さ」「お手入れのしやすさ」を重視するのが基本です。おすすめのスタイルをいくつかご紹介します。
1. 全身スッキリカット(バリカン仕上げ)
毛を全体的に短く刈ることで、毛玉ができにくく、シャンプーや乾かす時間も短縮できます。特に夏場や、皮膚トラブルが起きやすい子にはおすすめです。
2. お尻まわり・お腹まわりの部分カット
排泄時の汚れを防ぐため、お尻やお腹、内股などは短めに整えておくと、拭き取りやすく衛生的です。
3. 顔まわりスッキリカット
目の周りや口元の毛が長いと、目ヤニやよだれで不衛生になりがちです。短くカットすることで顔まわりの清潔を保ちやすくなります。
自宅でできる!シニア犬へのケアと便利アイテム
毎日のお手入れが、シニア犬の健康維持に大きく役立ちます。以下は自宅でできるケアの例です。
● ブラッシング
血行促進や皮膚トラブルの予防に。柔らかいスリッカーブラシや、獣毛ブラシがオススメです。
オススメアイテム
【スリッカーブラシ】
[ペティオアドメイト] プロフェッショナルスリッカーブラシ M

皮膚にやさしく、被毛もふんわり仕上がる安心設計。
【獣毛ブラシ】
[ペティオ]犬猫用 FIXCARE 使い分け出来て握りやすい ダブルブラシ M

被毛の奥に入り込みやすく、艶が出て静電気が起きにくい。
● 爪切り・足裏の毛カット
爪が伸びすぎると歩行に支障が出ることも。足裏の毛は滑り防止のためにも定期的に整えましょう。
オススメアイテム
【爪切り|ギロチンタイプ】
[ドギーマンハヤシ]Natural Style forDog 爪切り&ヤスリセット

切れ味が良いので、爪に負担がかかりにくい。
【部分カット用バリカン】
[ペティオ] Self Trimmer コードレス バリカン スモールネイルケア 2WAY

音が静かで、シニア犬にも優しい仕様。
● 目や耳、口周りのケア
目ヤニや耳垢がたまりやすくなるため、こまめにチェック。刺激の少ない専用のシートやローションで優しく拭いてあげましょう。
オススメアイテム
【Oxyfresh ペットイヤークリーナー】
[ファンタジーワールド(直送)]Oxyfresh ペットイヤークリーナー 237ml ※発注単位・最低ご購入金額にご注意下さい

耳のにおいを素早く消臭
無香料、アルコール不使用
【なでフク なでなで 耳そうじシート】

外出先でも使える便利なシートタイプ
イヤークリーナーを使うのが苦手な子に
トリマーが伝えたい「安心して任せるためのポイント」
シニア犬のトリミングは、犬の体調や性格に応じた細やかな配慮が求められます。安心してお任せできるように、次のような情報を事前に共有しておくとスムーズです。
- 病歴や持病(心臓病、てんかん、関節炎など)
- 施術中に嫌がること・怖がること
- 現在の体調(食欲、便の状態、睡眠パターンなど)
トリミング当日は無理をさせないためにも、いつもより軽い食事にする、体調が万全でなければ延期するなどの判断も重要です。また、トリマーは犬の体調などにその都度応じながら施術するため、「仕上がりは無理のない範囲で大丈夫です。」などの配慮も事前に一言あるとトリマーの気持ちの負担軽減になります。
まとめ|年を重ねたからこそ、やさしいトリミングを
トリミングは、見た目の可愛らしさだけではなく、健康維持や快適な毎日を支える大切な時間です。負担を減らしつつ、必要なケアを続けることで、愛犬は穏やかで清潔なシニアライフを送ることができます。
愛犬が年を重ねても、できるだけ快適で幸せに過ごせるように、トリマーは寄り添いながらお手伝いしています。
「うちの子に合ったケアって?」「年齢的に難しいかも…」と感じている方は、相談できるかかりつけのトリマーさんを見つけて相談してみてくださいね!